図書館 アウトソーシング

図書館業務のアウトソーシング化

公共図書館をはじめとして、これまで、図書館の運営は、司書をはじめとした内部のスタッフによってまかなわれてきました。現在、図書館運営の効率化とコスト削減を目的として、さまざまな自治体で指定管理業者へのアウトソーシング化が進められています。

 

業務としては、コンピュータを用いた作業が多い「テクニカルサービス」が一般的となっています。内容は、購入図書の装備、製本、書誌データの作成、文献のコピー、休日などの時間外閉館、庶務、会計、予算、人事、広報、セキュリティ、館内の清掃、保守管理(コンピュータや電気設備、複写機)などになります。

 

その一方、案内をはじめ、貸出や返却、利用者教育やレファレンスサービスなど、直接、利用者と触れ合う「パブリックサービス」のアウトソーシング化も増えてきました。大手書店系のアウトソーシング業者では、専門性の高さと戦略的な観点を売りにしています。

 

セールスポイントは、“新しいサービスモデルの創出”“経営感覚をもって図書館を運営”など。レファレンスサービスから地域の社会教育講座の企画・運営に至る、「パブリックサービス」までも可能とするところも生まれています。

 

しかし、この間、アウトソーシング化によって、現場では、さまざまな問題点が見つかっていることも事実。主なものでは、業務委託する側とされる側の意思疎通の不足や業務の分断、業務範囲の不明確さ、などです。

 

緊急時の対応について、業者に公的な決裁権のないことも、議論の余地があります。さらに、アウトソーシング業者による館長の解雇が、裁判に発展したケースまであります。

 

これでは、一般の図書館利用者がないがしろにされている観は否めないもの。結果として、利用者から苦情が続出するようになるのでは、「みんなの図書館」の理想から遠のいていくばかりです。

 

多くの図書館のアウトソーシング化による前例を観察し、敢えて後発の位置につきながら、次の策を慎重に模索中の図書館が少なくないのが、現状だと思われます。