図書館学

図書館学について

図書館に限らず、何らかの公的な組織がその所有する物品を資産として管理するために、それに対するリストを作成することは不可欠です。伝統的な図書館においても蔵書に対する目録がこれまで作成・維持されてきました。

 

図書という物理的な実体が一意に識別可能となるように、その著書名や書名、出版者、出版年などの書誌要素を一定の規則に基づき、記述して目録を作成すれば、その記述は実体に対する代理物として、蔵書管理のために機能します。

 

そのような目的から作成された書誌記述が、該当する図書館の業務での使用のみに限定されたとしたら、それを目録として編集することにそれほど複雑な問題は発生しないでしょう。

 

また記述対象である図書が、1つの情報源として、記号論的に複雑な性質を持たなければ、その内容の記述が困難な事もありません。しかしながら、現代的な図書館が単独では、その利用者の要求を満たすことは出来ず、相互貸借等を通じた資源共有を前提として活動せざる得ない状況を考慮すると、目録もまた複数の図書館で共有、交換される必要があるでしょう。

 

そして、図書の内容に関する解釈が各人の主観性に高度に依存することもまた、記号論的には否定できません。これは、図書以外の情報源にも当てはまることです。学術論文や雑誌記事、テクニカルレポート、特許、さらには音楽や映画などに対して、それら効果的かつ効率的に記述することは容易ではありません。

 

これらの情報資源が電子化されて、コンピュータ・ネットワーク上で利用可能となっても状況は同じです。確かに、ネットワーク資源には、遠隔の書架上に置かれた図書とは異なり、手元のコンピュータで瞬時に本体を閲覧できるという卓越した長所があります。

 

それは、記述の複雑性を減少させることにはなりますが、内容解釈の主観性に関する問題は変わらないし、また、電子的な情報資源に特有な性質が
記述上の問題を引き起こす可能性もあります。

 

例えば、ウェブページなどの電子的な文書が簡単に書き換え可能であることや、断片に分割可能であることは、その記述の困難性を増すことにもなります。

 

また、記述対象が何らかの電子的なデータの場合、その記述は「データに対するデータ」として捉えられることから、メタデータと呼ぶこともできます。より一般的には、記述対象となるデータは電子的でなくとも構いません。

 

例えば「最初の5桁は社員番号、次の2桁は年齢」は「3625424」という文字列を読むためのメタデータです。

 

図書館情報学においては、何らかの情報資源に対する記述こそがメタデータであり、情報資源が電子的データではなく、物理的な実体である場合にも、さらには、抽象的な実体である場合にも、この用語が用いられます。