ハイブリッド図書館

ハイブリッド図書館の成り立ちと事例

ハイブリッド図書館とは、書籍や雑誌などのリアルな“紙”の図書館と、電子図書館の機能を混在させた図書館の呼称。現在、最も現実的な図書館の形となっています。

 

ことの始まりは、1990年代、インターネットの大衆化とともに、CD-ROMによって制作される電子資料が出現しはじめ、1995年、ついに、国会図書館による「国立国会図書館雑誌記事索引」の領布が、これまでの書類から、CD-ROMのみとなったことから。この時、多くの図書館が、否応なしにパソコンの導入・設置を迫られました。

 

もっとも、1991年には、すでに電子図書館を推進する「電子ライブラリーコンソーシアム」という団体が生まれており、1994年には、関西の電子図書館研究会が、電子図書館システムの原型となる『アリアドネ』を発表するなど、機は熟していました。

 

翌95年、国会図書館は、「パイロット電子図書館実証実験」をスタート、「国立国会図書館電子図書館構想」を策定、1997年には、学術雑誌の論文などを提供する電子図書館サービスもスタート。

 

書物の内容をデジタル化してサーバーに蓄積することによって、どこにいても、パソコンさえあれば、ネット上から、閲覧することができる電子図書館の必要性は、公共図書館においても論じられることに。

 

1999年、文部省は、「地域電子図書館構想検討協力者会議を組織し、「公共図書館は、既存の情報資源を収集し、利用者に再配分するだけでなく、自ら、情報を制作し、利用者に提供する発信型図書館の機能を獲得することが重要」とするハイブリッド図書館が現実のものとなりました。

 

ハイブリッド図書館の先進事例としては、東京都千代田区にある千代田区立図書館が2007年に開始した「千代田web図書館」による、電子書籍の貸し出しサービスが挙げられます。

 

利用は、同区に在住・通勤・通学する登録者に限られ、また、貸し出された電子図書のコピーや印刷はできず、貸出期間が過ぎると自動的に削除される仕組み。

 

青空文庫をはじめ、子供向けの図書から、小説、哲学書、ビジネス書まで、出版者の協力を得た3000冊の電子書籍の閲覧が可能となっています。