通信教育による図書館司書講習の受講について
大学に在籍していない人や、講習を受けようにも地域的・時間的にも難しい人が、図書館司書資格を取得しようと考えた時に、1番現実的な方法が大学の通信教育を受けることになります。
大学に正規の学生として入学しなくても、必要な科目だけを履修して、単位を取得することができる「科目等履修生」になることも可能ですが、その場合には大学に通学することが求められます。
それに比べ通信教育では、自宅にいながらにして、自分のペースで着々と学習を進めていくことができ、資格取得に定められた単位を修得することができますから、全国の図書館司書を目指す人が幅広く利用しています。
この場合、長期休暇(お盆や夏休み)などを使い、年に数回、集中的に最低限の通学はすることになります(スクーリング制度)。
この通信教育制度を利用して、図書館司書の資格を取得できる大学は、全国に、帝京平成大学・聖徳大学・玉川大学・明星大学・八州学園大学・愛知学院大学・佛教大学・大阪芸術大学・近畿大学・近大姫路大学、以上10大学があります。
資格取得に必要な科目と単位
図書館司書の資格取得に必要な科目と単位数は、図書館法第5条1項第1号の、図書館法施行規則の第1章「図書館に関する科目」によって定められています。
なお、この内容については、2009年4月30日付けの省令改正によるものなので、本格的には2012年4月1日から完全施行となっています。
簡潔に内容をまとめると、図書館司書資格を取得する人は、以下の単位を修得しなければなりません。
科目 | 単位数 |
---|---|
生涯学習概論 | 2 |
図書館概論 | 2 |
図書館制度・経営論 | 2 |
図書館情報技術論 | 2 |
図書館サービス概論 | 2 |
情報サービス論 | 2 |
児童サービス論 | 2 |
情報サービス演習 | 2 |
図書館情報資源概論 | 2 |
情報資源組織論 | 2 |
情報資源組織演習 | 2 |
図書館基礎特論 | 1 |
図書館サービス持論 | 1 |
図書館情報資源持論 | 1 |
図書・図書館史 | 1 |
図書館施設論 | 1 |
図書館綜合演習 | 1 |
図書館実習 | 1 |
また講習による資格取得を目指す場合は、同施行規則第2章「司書及び司書補の講習」に定められています。
受験資格は、図書館司書は、大学に2年以上在学をして、62単位以上を修得。または、高等専門学校、法附則第10条の規定に則り大学に含まれる学校を卒業したこと。
図書館司書補の職業に通算して2年以上従事したこと。その他、これらと同等以上の資格を有すると文部科学大臣によって認められたもの、となっています。
司書補に必要な科目と単位
司書補については、「学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができるもの」となっています。講習において修得すべき科目、単位については、第一条の記載されている「大学における科目」がそのまま適用されています。
司書補に必要な科目・単位は以下になります。
科目 | 単位数 |
---|---|
生涯学習概論 | 1 |
図書館の基礎 | 2 |
図書館サービスの基礎 | 2 |
レファレンスサービス | 1 |
レファレンス資料の解題 | 1 |
情報検索サービス | 1 |
図書館の資料 | 2 |
資料の整理 | 2 |
資料の整理演習 | 1 |
児童サービスの基礎 | 1 |
図書館特講 | 1 |