図書館司書の仕事

危機管理も図書館司書の仕事

図書館が好ましくない状況に陥りそうな際の「危機管理」も、ライブラリアンシップの必須要件。その一つに、クレームへの対処があります。

 

以下、ベテラン司書から聞いたトラブル対処法を2点、ご紹介しましょう。

 

閲覧室で、はじめは声を潜めて話していたのが、じきにクスクス笑いからお喋りに発展してしまった高校生グループ。他の閲覧者から「静かにさせてほしい」というクレームが出たとき、どう対処しますか?

 

最も効果的なのは、メモを渡してさりげなく注意を促すこと。高校生という難しいお年頃、頭ごなしに注意するのは逆効果なのだそうです(高校生でなくても同じとは思いますが)。

 

また、最近、あちこちに出没しているクレーマーが、図書館にも現れたとします。「ここの蔵書は種類が少なすぎる!」「館員の電話の応対が悪かった!」などなど、一方的にまくしたてられると、“知の宝庫”の勤務者のプライドもどこへやら。

 

この場合も、真っ向から議論してしまうと、火に油を注ぐことに。有効手段としては、まずは、いっさいの反論をせず、じっくりとその言い分を聞くこと。その際、相手に対して思いやりの心をもち、敬語を使い、笑顔を見せることも大切だそうです。

 

“知の宝庫”であるからこそ、図書館に対して、来館者の要求もさまざま。うるさいクレーマーも、逆説的には、”図書館のありかたを真剣に思いつめたあげく、わざわざ足を運んで直截な提案を行ってくれる人”という見方もできるのです。

 

クレーマーときちんと向き合うことは、他の来館者が心の中に思っているだけで、表面には出てこない“生きた情報”をキャッチするチャンスにもなり得るかもしれません。

 

もちろん、クレームの度が過ぎて荷が重いと判断した時は、上司を呼ぶことによって解決する場合もあります。これは、一般企業でも行われている危機管理の一つで、責任のある立場の人に言い分を伝えることによって、クレーマーの気が済む場合も少なくありません。

 

いかに巧みに危機回避を行うかも、ライブラリアンシップの勘所なのです。